朝の静けさを取り戻したら、1日が長くなった話

早朝のスタジオは少しひんやりしていて、まだ街の音もやわらかい。控室の窓から薄い光が差し込んで、白い壁に淡く広がっていた。

以前の私は、ギリギリまで寝ていた。目覚ましを何度も止めて、最後は飛び起きる。顔を洗いながら今日の予定を思い出して、すでに少し疲れていた。

今は起きる時間を30分だけ早めた。それだけなのに、朝が別の時間帯みたいに感じる。

起きたらまず白湯を飲む。使っているのはサーモスの保温マグ。夜のうちにお湯を入れておくと、朝ちょうどいい温度になっている。これだけで体が静かに目を覚ます。

スマホはすぐに触らない。代わりにカーテンを開けて、窓の外を見る。その数分で、頭の中のざわつきが落ち着いていく。

忙しい日は、朝からもう追われている気持ちになりやすい。でも朝の静けさを先に味わっておくと、同じスケジュールでも体感が違う。

時間が増えたわけではない。焦る時間が減っただけだった。

撮影現場に向かう電車の中で、以前より呼吸が深いことに気づく。自由な時間は夜に生まれると思っていたけれど、本当は朝に作るものだったのかもしれない。

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