撮影終わりの夜、駅からの帰り道は少し足取りが重い。今日も一日長かったなと思いながら、部屋のドアを開ける。以前はここで気が抜けて、バッグを床に置きっぱなしにしていた。上着も椅子の背にかけたまま。疲れているから仕方ない、と自分に言い訳していた。でも散らかった部屋は、疲れた心にさらに負担をかけていた。今は帰宅したら最初にやることが決まっている。バッグの中身を出して、山崎実業のtowerのトレーに置く。鍵、財布、イヤホン。それだけ。完璧に片付けるわけじゃない。ただ「定位置に戻す」だけ。床に物がないと、それだけで呼吸が浅くならない。視界が整っているだけで、夜の疲れ方が違う。余裕があるから片付くのではなく、散らからない仕組みがあるから余裕が残るのだと知った。生活は気合では続かなかった。疲れていてもできる形にしておくほうが、ずっと現実的だった。部屋着に着替えてソファに座る。何も頑張っていないのに、ちゃんと整っている。その感じが、静かに安心をくれる夜だった。
疲れて帰った夜でも、部屋が荒れなくなった理由
未分類
コメント